Pilotをやっているとこれも良く言われる言葉です。
飛行機が飛ぶ原理は後で説明するとして、この言葉は我々にとっては少し違和感があります。
なぜならジャンボであろうが、セスナであろうが、紙飛行機であろうが飛ぶ原理は一緒だからです。
ジャンボが飛ぶのはエンジンの推進力が大きいからにすぎません。
(エンジンが強力であればどんな大きいものでも浮かびます。)
ですので答える時はほとんど「そうですね~」とあまり多くは語りません。
話し出すと飛行機の飛ぶ原理まで行ってしまうからです。
でも気持ちは良~く分かります。
あんな重たいものが飛んでいること自体自然に反しているような気がしますよね。
という事でここでは飛行がなぜ飛ぶのか簡単に説明したいと思います。
(既知かもしれませんが・・・・・。)
飛行機には大きく分けて3種類の翼(ヨク)があります。
一つは胴体の中心からから横に出でている主翼、飛行機の後ろについている水平尾翼と垂直尾翼です。
名前も役割も違いますが、すべて同じ原理が働いています。
飛ぶための主役はもちろん一番大きな主翼が担います。
この主翼を輪切りにすると上が曲面になっていて下がほぼ水平のような形をしています。
エンジンによって前に進む力が加えられると主翼上に空気の流れが発生しますが、主翼の形状によって主翼の上では空気の流れが速く、下では上より遅くなります。
この流れの速さの違いによって主翼の上と下では気圧の差が生まれます。
上が気圧が低く、下が高い状態です。
そうすると気圧の高い方から低い方へ上向きの力が働き飛行機全体を押し上げるわけです。
上向きの力は速度が速ければ速いほど強くなりますので、大型機が浮き上がれる力はそれなりに早くなり、浮揚速度は早くなります。
水平尾翼は飛行機の上昇効果に使われます。
水平尾翼の後ろにエレベーター(昇降舵)と言う可動翼があり、それを動かすことによって翼の形状を変えることができます。
上昇するときはエレベーターを上にあげれば翼の形状が変わり、翼の上より下の圧力が低くなりますので水平尾翼自体に下への力がかかります。
そうすると重心周りに機種は上へ、尾翼は下へ動くので上昇する訳です。
垂直尾翼(ラダー)も同じ原理です。
これは飛行機の横方向の動きをコントロールするために使われます。
たとえば横風着陸の時は風見によって機首方向が風の方向に向いていますが、これを滑走路と同じ方向に向けるためにラダーを踏みます。
ここら辺の説明は以前にしましたのでこちらをご覧ください。
主翼の形状によって燃費がかなり違ってきますので、特に主翼の先端はいろいろと工夫をしています。
ここら辺はまた別の機会に書きたいと思います。