飛行機関連

逆噴射で飛行機はバックできる?

飛行機には着陸後の制動装置の一つとしてエンジンの逆噴射装置があります。

これは高速の時に使えば使うほど効果が大きい制動装置です。

仕組みはエンジンのカウル(覆い)の後方を後ろに下げ、エンジンの空気の流れを前方に変えて飛行機のスピードを落とすようになっています。
(勘違いしている人もいるみたいですが、エンジンが逆回転するわけではありません。)

とすれば自力でバックできそうですができると思いますか?

はい、できます!

但し、実機では禁止、と言うよりはパイロットは後ろが見えませんの当然ですがでやろうとする人はいません。

何故できると断言できるのかと言うと、私はB777のシミュレーターの導入をしたことがあるのですが、
その時にシミュレーターの地上のポジション修正に逆噴射でのバックを利用した事が結構あったのです。
これはもちろんシミュレーターのテストや設定で行う事ですので通常行う事ではありません。

この逆噴射装置は飛行中に使う事ができないのですが、昔飛んでいたDC8と言う飛行機はスピードを落とすために空中でも使用できるようになっていました。
1982年に羽田沖でJALのDC8が墜落したのも機長の異常行動による逆噴射装置作動でした。

軍用機で実際にバックで運用する航空機もあります。
下の画像はC17の逆噴射によるBack Taxiです。
パイロットは後ろが見えませんが、後部胴体のハッチが開いているのでそこで監視してパイロットに連絡しているのでしょう。
軍用機ならではですね。

ところで最近、飛行機が着陸した後の逆噴射の音小さいとは思いませんか?

昔は着陸したらリバースレバー(逆噴射レバー)を目いっぱい引いて派手な音を出していました。
しかし最近は燃料の高騰のために滑走路に余裕がある場合にはアイドルリバースと言ってリバースレバーは引くけど目いっぱい引かないで推力をただ後ろから前に変えるだけに使用する事が多くなりました。

逆噴射も結構燃料を消費するのです。

但し滑走路が濡れていたり凍結しているようなときにはこれでもかと言う位使いますが・・・。

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