飛行機関連

日本航空の副操縦士、乗務直前アルコール値基準オーバーで英警察に拘束される。

また残念な事が起きてしまいました。

ロンドン発成田行きJAL44便のB777-300に乗務予定の副操縦士が、飛行機へ行く際のバスの運転手から酒の臭いがすると通報され、計測の結果、基準値の9倍以上のアルコールが感知され、その場で拘束、起訴されました。

われわれの仲間であるパイロットの不祥事、同じ仕事をしてきたものとして申し訳なく思います。
一度飛び上がれば数百人の命を預かると言う現実を甘く見ているとしか言えません。

車もそうですが、どうしてこの様なことがなくならないのでしょうか?
自制心、自覚が足りないと一言では済まされない無い人間の弱さを感じます。

日本ではあまり無いですが、今回の様に外部からの通報で発覚する事は海外ではよくあります。
アメリカでも同じような事例が外国他社で発生しています。

乗務前の飲酒は法律によって制限されている

日本航空では現在、乗務前にアルコール検知器で検査することが義務付けられていますので通常であればその検査で異常が出るはずですが、自己検診ですので検査したように見せかけたのかもしれません。
乗務前の飲酒は航空法では8時間前、アメリカのFAAでも8時間前までとされていますが、各航空会社は独自の基準を設けています。

日本航空では社内規定で乗務の12時間前以降、飲酒する事は禁じられています。
しかしこれは多分に個人差があるので酒が残りやすいたちの人はそれ以前にやめるように指導されています。

今回の事件を受けて日本航空では上記の自主規制をさらに厳しくするようです。
12時間を24時間にし、滞在地での飲酒は禁止、アルコール検知器はさらに高度のものでオンラインで瞬時に把握できるものを採用するようです。

当然ですが、この様に厳しくしないとなくならないと言うのも悲しいですね。

国際線で辛いのは時差

ロンドン発成田行き044便は現地時間午後7時出発、日本時間午後15時55分到着、日本時間にするとロンドン出発は午前4時になります。
ホテルから空港までの距離によりますが、乗員は出発の2時間半から3時間前にホテルを出発しなければなりません。
3時間前とすると日本時間の午前1時ホテル出発、フライトの準備をするためにさらに1時間前の日本時間午前0時(現地時間午後3時)には起きていなくてはなりません。

すなわち乗員は徹夜フライトを余儀なくされることになるために乗務前に出来るfだけ寝ようとしますが、8時間ほど寝るとして現地時間の昼間、日本時間の午後4時から寝なくてはなりません。

とても寝る事が出来ないとと言うのが実情です。
この様なことが飲酒の背景にあるのかもしれませんが、乗員は時差については人それぞれ、いろいろ工夫して乗務前に出来るだけ寝ることが出来るように現地での生活を工夫しています。
あるものは現地時間で行動する、ある者は寝たいときに寝る、人それぞれです。

私には寝たいときに寝るのが一番適していたように思います。

以前、時差について書きましたが、時差というものは決して慣れないものです。
静かに横になっているだけでも違うので私は眠れない時でもベッドから出ないようにしていました。

最悪、寝ることが出来なくてもロンドン成田のような長距離路線では機長二人、副操縦士一人、計3人乗っていますので、上空でフライト時間の三分の一、たとえばフライトタイム12時時間であれば3時間仮眠を取ることができます。
以前これについても書きましたが、そのための、バンク(ベッド)がパイロット、CA、それぞれのために装備されています。

国際線は乗務員にとって時差との戦いです。
各乗務員いろいろ工夫をして十分休養を取ってフライトに望む姿勢でいる中でこの様なことが起きるのは本当に遺憾ですね。

待っている辛い現実・・・

多分、当該乗員はパイロットとしてはもう未来は無いでしょう。
もしかするとパイロットのライセンスは取り消しになるかも知れません。
会社にもいられなくなるかもしれません。。

これから機長になろうとする前途洋々であるべきはずの働き盛りの副操縦士、この様な事で目指した夢を閉ざされるのは本人も悔やんでも悔やみきれないでしょう。
残念です。

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