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エチオピア航空ET302便墜落、Flight Radar24で分かる事

エチオピア航空ET302便(アディスアベバ発ナイロビ行き、ボーイング737 MAX 8型機)が離陸後墜落しました。

発表によると、ET302便は現地時間10日午前8時38分(日本時間同日午後2時38分)に、エチオピアの首都アディスアベバのボレ国際空港を乗客149人と乗員8人を乗せて離陸、6分後の午前8時44分に連絡が途絶えたそうです。

この飛行をFlight Rader24で追ってみたいと思います。

高度と速度の飛行データを見ると午前8時38分に離陸後、順調に高度を上げ、8000ftで一度巡行に入ろうとしています。
8000ftと言うのは航空管制機関に指示された高度、もしくは出発方式で定められた高度と思われます。
(意図しない巡行と言うより8000ftを維持する意思が感じられます。)

この時の速度は250kt、通常、一部例外を除き高度10000ft以下では250ktで運航することが一般的ですのでここまでは一見順調です。

異変と思われるのはこの先です。

8000ft、250ktで巡行飛行に入った飛行機は通常であればスラストレバー(パワーレバー)を引き250ktを維持するように推力を調整します。

しかしこの便のフライトデータを見るとどんどん加速しています。

加速の途中で高度が少し上がりますが、速度が速くなるとそれまでの速度で釣り合いが取れていた状態が崩れ、飛行機は上昇しようとしますので動きとしては正常に見えます。
その後パイロットは8000ftを維持しようとコントロールしていることがデータから読み取れます。

その後383ktまで加速してデータは途切れていますが、この383ktと言う速度は低高度で超えてはいけない速度(VNE・・・Never Extended Speed)を超えていると思われます。

データが途切れる直前に高度が急上昇していますが、これはスピードが最大スピードを超え、飛行機が何らかの原因で高度維持を制御しきれなくなった様に思われます。

これらの状況からあくまでも推測ですが二つの現象が考えられます。

一つは当該機が8000ftで巡行に入ったにもかかわらず、推力調整ができず飛行機が限界まで加速、フライトデータが空中で途切れている事から空中分解した。

もう一つの推測は推力に異常はなかったものの速度計に異常があり、実際のスピードと計器の指示が一致せずに何らかの飛行不能に陥った。

この飛行機、ボーイング737 MAX 8型機は次世代737シリーズの発展型です。

当ブログでも掲載しましたが、737 MAX 8は、2018年10月にも墜落しています。
この飛行機はインドネシアのLCC大手、ライオン・エアのジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便で、製造されたばかりの機体だったそうです。

この時も低高度で不可解な速度増加が記録されており、今回の事故と似ているように思います。

結局この事故では速度計の異常指示の原因として迎角センサーに問題があったことを確認したとされていますが、真の原因はそこにはなかったという事かもしれません。

この事故を受けて中国がボーイング737 MAX 8型機の全面運
航禁止と言う措置に出ました。
2件の似たような事故を考えれば妥当と思います。

幸い、日本の航空会社では、今現在ボーイング737 MAX 8型機を採用している航空会社はありません。

ただ全日空が今年1月にB737 MAX 8を最大30機発注すると発表、2021年度から2025年度にかけて受領するそうです。

しかし外国のエアライン(特に東南アジアのLCC…格安航空会社)のボーイング737 MAX 8型機による成田乗り入れはあるようです。

5か月で2度の似たような事故、B737 MAX 8型機への搭乗はしばらく控えたほうが良いように感じます。

早い真の事故原因の究明が望まれます。

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