飛行機関連

Cockpit Serviceってご存知ですか?

前回のコーヒーの記事は結構、皆さんに反響があったようです。
あまり知りえない内輪の話だったからかもしれません。

今日はそのような意味でCockpit Serviceと言われる客室乗務員(以下CAと記載します。CAはキャビンアテンダントの略です。)のパイロットに対する飲食のサービスについて書いてみたいと思います。

マイナーな話ですが、ご興味がありましたらお読みください。

パイロットへの飲食サービス

パイロットの飲み物や食事はお客様と同じようにCAからサービスをしてもらうのが原則です。
原則と書いたのは一部そうとも言えないケースが出てきたためです。
この件に関しては後述します。

それでは流れに沿ってご紹介します。

パイロットは操縦席に入るとPre-Flight Checkと呼ばれる飛行前点検を行います。

CAも同じように客室で飛行前の準備を始めますが、その途中にCAは操縦席に飲み物を聞きに来てくれます。

この際にパイロットの中には飲み物を二つお願いする人もいますが、これには少し事情があります。
この件に関しても後でまとめて記述します。

操縦室に来てくれる担当CAは飛行前にあらかじめ決められます。

Cockpit Dutyと呼ばれ、私が所属していた航空会社ではファーストクラス担当のジュニアのCAがアサインされる事が多いようです。

次にCAが飲み物のオーダーを聞いてくれるのは離陸後ベルト着用サインを消灯させた時です。

多くは客室のサービスが始まる前にインターフォーンで飲み物のオーダーを聞いてくれますが、国際線では少し事情が違うかもしれません。

国内線は飛行時間が短いので飛行中飲み物のオーダーはこの一回のみの場合が多いですが、国際線の場合は時間をおいて複数回聞いてくれますし、食事の用意もしてくれます。

今まで述べたのは一般的な流れです。

実はこの流れは時代によって変わってきた。

変わってきた原因は1機に乗務するCAの数に起因します。

1機に乗るCAの数は原則ドアの数以上乗務する事になっていますが、国内線、お客様の数等、状況や環境によってはドアの数より少ない場合もあります。

今ほど航空界の経営が厳しくなかった昔はドアの数以上の十分な数のCAを乗務させてサービスを充実させていました。
(今のサービスが昔に比べて劣るという事ではありません。)

ジャンボに17人とか18人乗っていた時もあります。
(ちなみにジャンボのドアの数は10個です。)

本題とは関係ありませんが、17人とか18人のCAの前で行う飛行前ブリーフィングは結構圧巻で機長なりたての頃は少々緊張したものです。(笑)

その時代はCAの人数が多かったためにCockpit Serviceも結構手厚くしてくれました。

ベルト着用サインを消灯させると即座にCAから連絡がきて、飲み物どころか食事の準備もすぐにしてくれました。

しかし航空界の経営が厳しくなるにつれ乗務するCAの数もどんどん削減され、CAもお客様へのサービスに忙しくなり、なかなか操縦室にまで手が回らなくなってきました。

この傾向は飲食のフルサービスを行う国際線で顕著で、ベルト着用サインを消灯させてもすぐには飲み物を聞いてくれない事が多くなりました。

(国内線ではお客様へのサービスも簡易ですし時間も短いこともありすぐに聞いてくれる場合が多いです。)

パイロットによっては飛行前点検の時に飲み物を二つ頼む人がいるのはこういう理由があるからです。

ましてや食事などはお客様のサービスが一段落した後という事が当たり前になりました。

Cockpit Dutyをアサインされたファーストクラスのジュニアは離陸後、ファーストクラスのサービスにかかりっきりになり、操縦室に飲み物のお伺い立てる余裕はありません。

ファーストクラスのサービスはベルト着用サイン消灯後約3時間程かかります。

その間、必要な業務で操縦室に連絡が来る以外はほとんど飲食のお伺いはないのですが、気の利いたチーフパーサーはその間でも暇を見て聞いてくれる人もいました。

この様な傾向はさらに進み、私が退職するころには飛行前に飲み物のパックや缶が数種類入っているボックスを操縦室に置き、離陸後、パイロットはそこから好きな飲み物をとるようになっていました。
(これはこれで余計な気遣いもないし、好きな飲み物をいつでも手に取れましたので気が楽ではありました。)

コーヒー等の温かい飲み物が欲しい人は飛行前にマグボトルにコーヒーをいれてもらっていました。

私としてはお客様に満足なサービスを提供するためにCAが忙しいのは理解していますので、このような状況に異議を唱える気はありません。

私たちとしてはそれなりに対策をすれば済むことです。
飛行前にお腹がすいていれば何かを食べるか、軽食を用意して乗務をすればよいし、飲み物は操縦室にありますので自分たちで好きなものを飲めば良いことです。

ただこれを良いことにサービスの進行状況や客室の状況を何時間も連絡してこないチーフパーサーがいる事も確かです。

またパイロットの中には状況を無視して離陸後すぐに食事を持って来いと言う人も中にはいました。(今はさすがにないと思いますが・・・)

どんな職場でも我儘やKYな人がいるものですね。(笑)
注、KY・・・空気の読めない人(念のため)

私がエアラインから離れて何年かたち、その間にも環境が大きく変わってきましたので今も上記の様な状況とは言えないかもしれません。

そして少なくともこの件は飛行機の運航の安全がどうのこうのと言うレベルの話ではなく、現在の状況を理解していれば乗務員同士がお互いに協力し合えば済むことです。

私たちの使命は現在置かれた環境の中で安全、かつ快適にお客様を目的地までお連れする事に全力を尽くすことに変わりはありません。

POSTED COMMENT

  1. kayabuki110 より:

    CAP様

    前回の「コーヒー」の中で、気になっていたことが解決しました、

    >飛行前に飲み物のパックや缶が数種類入っているボックスを操縦室に置き、離陸後、パイロットはそこから好きな飲み物をとるようになっていました

    操縦室への持ち込みは衛生上飲み物でも禁止なのかしらと思っていました。

    >飛行前にお腹がすいていれば何かを食べるか、軽食を用意して乗務をすればよいし、飲み物は操縦室にありますので自分たちで好きなものを飲めば良いことです。
      そうですよね、(^_-)-☆
    持ち込む軽食はどんなものでしょう。

    内田幹樹著「査察機長」FMシアターの中で乗客の米国スポーツ選手が機内食を食べつくし、チェツク中の機長がカッツプラーメンを食べるくだりがありさすが眉唾とおもっています。

    こちらのブログを拝読するうちに、機長の仕事への関心が深くなりました。

    • captaionlog より:

      kayabuki110様

      いつもご購読ありがとうございます。

      操縦室への飲食物の持ち込みは特に制限されていません。
      人それぞれですが私の場合は「サンドイッチ」とか「いなりずし」とか、
      小腹を満たす程度のものが多いですね。

      >内田幹樹著「査察機長」FMシアターの中で乗客の米国スポーツ選手が機内食を食べつくし、
      チェツク中の機長がカッツプラーメンを食べるくだりがありさすが眉唾とおもっています。

      乗員用の食事は別途用意していますのでお客様がそれまでも食べてしまうという事は
      考えずらいのですが、私の勤務していた航空会社ではカップラーメンも搭載していましたので
      たまに操縦室で食べる事はありますよ。

      これからもよろしくお願いいたします。

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