デグーはその愛らしい姿と社交的な性格で多くのペット愛好家に人気です。
しかし、デグーを健康に育てるためには適切な飼育環境や食事管理が不可欠です。
このガイドでは、デグーの基本的な情報から飼育環境、食事、健康管理、繁殖について詳しく解説します。デグーとの幸せな生活を実現するために、ぜひ参考にしてください。
1: デグーとはどんな生き物?
1-1. デグーの基本情報
1-1-1. デグーの起源と生態
デグーは南米チリ原産の小型哺乳類で、主に乾燥地帯に生息しています。
デグーは、モルモットやチンチラの仲間で、ハムスターよりも少し大きめですが、手のひらに収まるほどの可愛らしいサイズの動物です。
小さな前足を使って物をつかんだり、鳴き声で感情を表現したりと、非常に器用でコミュニケーションが取りやすいことが特徴です。
人懐っこい性格で、愛らしい仕草をよく見せてくれる点も魅力の一つです。
野生のデグーは地中に巣を作り、家族単位で生活する社交的な動物です。
彼らは日中活動する日行性で、温暖な気候を好みます。
デグーの生態を理解することは、彼らの飼育において非常に重要です。
種類: ゲッ歯目 テンジクネズミ亜目(旧分類では「ヤマアラシ亜目」に含まれることも)
分布: 南米、特にアンデス山脈地域
大きさ: 約12cm~20cm
寿命: 約5年~8年
値段: 約6,000円~15,000円(希少な個体は3万円以上の場合もあり)
1-1-2. デグーの特徴と性格
デグーは愛らしい見た目と好奇心旺盛な性格が特徴で、非常に社交的で人間ともすぐに仲良くなります。
賢くてコミュニケーション能力が高く、信頼関係を築ければ手や肩に擦り寄って甘えることもあります。
簡単なトリックも覚えることができる一方で、環境の変化に敏感でストレスを感じやすい面もあります。
感情豊かな鳴き声で「ピーピー」とエサを欲しがったり甘えたりするため、「アンデスの歌うネズミ」とも呼ばれます。
撫でられると喜ぶ表情を見せるのも魅力です。
注意点
飼い主との相性や個体差があり、一部のデグーはなつきにくく、トイレのしつけが難しいため、どこでも排泄してしまいます。
また、デグーは毎日散歩が必要で、運動不足になるとストレスでケージをかじるなどの行動が見られます。
さらに、デグーは何でもかじる習性があり、注意が必要です。
鳴き声は通常は大きくありませんが、ストレスが溜まると激しく鳴くことがあります。
これらの点を理解し、最後まで責任を持って世話をすることが重要です。
1-2. デグーの種類
1-2-1. 人気のデグーの種類
デグーには様々な種類がありますが、一般的に飼育されているのは以下の通りです。
・ノーマル(アグーチ)デグー (野生デグーの色、茶色やグレーの毛、品種改良されていないので体が丈夫とされている)
・ブルーデグー(実際の色は青みがかったグレー)
・パイドデグー(まだら模様、ブチ柄、雑食)
以下はレア品種。
・サンド (イエロー)(ベージュ色、日本でも入荷されているが、レア種)
・クリーム (サンドよりも色が薄いクリーム色)
・ホワイト(白単色、日本ではあまり流通していないレア種)
・ブラック(黒単色、日本ではあまり流通していないレア種)
それぞれの種類には異なる特徴があり、選ぶ際には自身のライフスタイルや飼育環境に合った種類を選ぶことが重要です。
1-2-2. 種類ごとの飼いやすさの違い
種類によって飼いやすさに違いがあります。
例えば、ノーマルデグーは一般的に飼いやすいとされていますが、ブルーデグーやパイドデグーは特有の健康問題を持つことがあるため、飼育には注意が必要です。
2: デグーの飼育環境
2-1. ケージの選び方
2-1-1. 適切なサイズと材質
デグーのケージは十分な広さが必要です。最低でも縦横高さが60cm以上のケージを選びましょう。
また、金属製のケージが最適です。プラスチック製のケージはデグーがかじってしまうことがあるため避けましょう。
2-1-2. 必要なアクセサリーとレイアウト
ケージ内には回し車や隠れ家、枝や梯子などの遊具を設置しましょう。デグーは活発に動き回るため、
これらのアクセサリーは必要不可欠です。また、床材には新聞紙や牧草を使用すると良いでしょう。
2-2. 温度と湿度の管理
2-2-1. 理想的な温度範囲
デグーの理想的な飼育温度は20℃から25℃です。
これ以上の高温や低温は避ける必要があります。特に夏場は直射日光を避け、涼しい場所にケージを置くよう心がけましょう。
2-2-2. 湿度管理のポイント
デグーは乾燥した環境を好みます。湿度は40%から60%が適しています。
高湿度は呼吸器系のトラブルを引き起こすことがあるため、湿度計を使用して適切に管理しましょう。
3: デグーの食事
3-1. デグーに適した餌
3-1-1. 市販のデグーフードの選び方
市販のデグーフードを選ぶ際は、デグー専用のものを選びましょう。
デグーは草食性で、糖分の高い食べ物は避ける必要があります。ペレットタイプの餌は栄養バランスが良く、おすすめです。
3-1-2. 新鮮な野菜や果物の与え方
デグーの食事には新鮮な野菜や果物も取り入れましょう。
ただし、与えすぎは肥満の原因となるため、適量を守ることが大切です。特にキャベツやリンゴなどが好まれます。
3-2. 避けるべき食材
3-2-1. 有害な食材一覧
デグーには与えてはいけない食材があります。
例えば、チョコレート、カフェイン含有飲料、アルコールなどは厳禁です。また、脂肪分の多い食品も避けましょう。
3-2-2. 食事の注意点
デグーの食事に関しては、常に新鮮な水を供給し、バランスの良い食事を心がけましょう。
食事の時間や量も一定に保つことで、健康的な生活を送ることができます。
4: デグーの健康管理
4-1. 定期的な健康チェック
4-1-1. 健康なデグーの見分け方
健康なデグーは毛並みが良く、目が輝いています。活発に動き回り、食欲も旺盛です。
逆に元気がない、食欲がない、毛並みが悪い場合は健康状態に問題がある可能性があります。
4-1-2. 病気の兆候と対策
デグーが病気になった場合、早期発見と対策が重要です。
下痢、呼吸困難、食欲不振などの症状が見られたらすぐに獣医に相談しましょう。
また、定期的な健康チェックを行うことで早期発見につなげることができます。
4-2. 運動と遊び
4-2-1. デグーに必要な運動量
デグーは非常に活発な動物で、十分な運動が必要です。
ケージ内に回し車を設置したり、定期的に部屋の中で自由に動き回らせたりすることが大切です。
4-2-2. おすすめの遊び道具
デグーは知的好奇心が強いため、様々な遊び道具を用意しましょう。回し車、トンネル、かじり木などが特におすすめです。
定期的に新しいおもちゃを提供することで、デグーの興味を引き続けることができます。
5: デグーの繁殖
5-1. 繁殖の準備と注意点
5-1-1. 繁殖に適した環境作り
デグーの繁殖には適した環境作りが不可欠です。
静かで落ち着いた場所にケージを設置し、ストレスを感じさせないように配慮しましょう。
また、繁殖期には栄養バランスの取れた食事を与えることが重要です。
5-1-2. 繁殖期の行動と対応
繁殖期のデグーは普段と違う行動を見せることがあります。
例えば、巣作りを始めたり、攻撃的になったりすることがあります。このような行動には注意が必要です。
5-2. 出産と子育て
5-2-1. 出産のサインと対応方法
デグーの出産のサインは、巣の中にこもる時間が増える、食欲が増すなどです。
出産が近づいたら、ケージ内を清潔に保ち、静かな環境を提供しましょう。
5-2-2. 子デグーの世話と育成
子供のデグーの世話は慎重に行う必要があります。
生後数週間は母デグーが育てるため、できるだけ干渉せず、静かに見守ることが大切です。
適切な時期に離乳させることで、健康に成長させることができます。
6: まとめ
デグーは魅力的なペットであり、その飼育には細やかな配慮が必要です。
適切なケージ選び、温度と湿度の管理、バランスの取れた食事、そして定期的な健康チェックがデグーの健康を守ります。
また、繁殖や出産の際には、母デグーと子デグーに適した環境を整え、ストレスを与えないように注意することが重要です。