朝礼や終礼で毎回「何を話そう…?」と悩んでいませんか?
特に管理職やリーダーの方にとっては、日々のひとことがチームの空気を左右することもあります。
本記事では、朝礼・終礼で好印象を与える話し方のコツから、すぐに使えるネタ例、部下のやる気を引き出すテクニックまで、実践的な内容をたっぷりご紹介!
もう話す内容で悩まない、自信を持って話せるようになるためのヒントが満載です。
朝礼で好印象を与える話し方とネタのコツ
朝礼の目的とは?ただの形式じゃない
朝礼と聞くと「毎日のルーティン」と感じる方も多いですが、実はとても大事な意味があります。
朝礼は、ただ情報を伝えるだけでなく、その日の仕事に向けて気持ちを切り替え、チームの一体感を生む貴重な時間です。
会社全体のリズムを整える「スイッチ」のような存在なのです。
たとえば、今日一日やるべきことを確認したり、会社全体の目標を共有することで「自分の仕事が組織の中でどう関わっているのか」が明確になります。
これにより、仕事のモチベーションが上がり、チーム内でのコミュニケーションもスムーズになります。
また、朝礼は「会社の顔」とも言える時間です。
上司や同僚の前で話すことで、話し手の印象が左右される場面でもあります。
たった数分のスピーチでも、「話し方ひとつで評価が上がる」ことも少なくありません。
大切なのは、義務的に話すのではなく「その場にいる全員にちょっと役立つ情報」や「前向きな気持ちになれる一言」を意識して伝えること。
これだけで、朝礼の価値は大きく変わってきます。
初心者でも安心!朝礼で話しやすい基本構成
朝礼で話すことに慣れていない人にとっては、「何をどう話せばいいのか分からない」という不安が大きいもの。
でも、実は基本の型さえ覚えてしまえば、誰でも自然に話すことができます。
おすすめなのが「PREP法」です。(詳しくは後述します。)
PREP法とは以下の順番で話すテクニックです:
項目 | 内容 |
---|---|
Point | 最初に結論を述べる(例:今日はポジティブな話をします) |
Reason | 結論の理由を伝える(例:最近の〇〇な出来事から感じたこと) |
Example | 具体例を加える(例:昨日のチーム対応でこんなことがありました) |
Point(再) | 最後にもう一度結論を強調(例:だから前向きな姿勢が大切です) |
この方法を使えば、話の軸がぶれずに短時間でも伝えたいことが整理されます。
さらに、途中で話が逸れてしまうことも減り、聞いている側も理解しやすくなります。
朝礼では「短く・わかりやすく・前向きに」が鉄則。自分の中で話す内容の流れを作っておくだけで、堂々と話せるようになります。
季節や時事を活かしたネタ例5選
毎日の朝礼で「ネタがない…」と悩む人も多いですよね。
そんな時は、季節や時事に関する話題がとても役立ちます。
旬な話題は誰にとっても関心があり、自然と耳を傾けてもらえるからです。
ここではすぐに使えるネタ例を5つご紹介します:
- 季節の変わり目と健康管理の話
→「寒暖差が激しいので、体調管理に気をつけましょう」など。 - 天気と気分のつながり
→「雨の日は気分が沈みがちですが、リフレッシュ法を取り入れてみましょう」 - 時事ニュースの豆知識
→「昨日のニュースで〇〇という話題がありました。皆さんもチェックしてみてください」 - 季節のイベント紹介
→「今日は立春です。暦の上では春、気持ちも新しくスタートしましょう」 - 過去の今日にあった出来事(記念日ネタ)
→「今日は〇〇の日。こんな由来があるんですよ」
こういった話題は、話す側も準備しやすく、聞く側にも親しみやすいのでおすすめです。
業務に関係する話題で信頼感をアップ
信頼される朝礼スピーチを目指すなら、業務に直結する話題を取り入れるのが効果的です。
ただし、堅苦しくならないように注意が必要です。
たとえば「昨日のクレーム対応で学んだこと」「取引先との会話で感じた信頼関係の重要性」「ミスを未然に防ぐ工夫」など、現場での具体的な出来事を短く共有すると、共感を得やすくなります。
ポイントは「事実+気づき」をセットで話すこと。
例:「昨日、あるお客様からご指摘を受けたのですが、その中に私たちが見落としていた視点がありました。
今後、対応マニュアルの改善につなげていきたいと考えています。」
こうした話は、「ただの報告」ではなく「現場目線の学び」として受け止められ、聞いている同僚や上司からの信頼が高まります。
NGな話題・やりがちな失敗とは?
朝礼で避けたい話題もあります。
うっかり口にしてしまうと、場の雰囲気を悪くしてしまうことも。
以下のような内容は避けるのが無難です。
- ネガティブな愚痴や不満(例:忙しすぎてやる気が出ない)
- 内輪だけがわかる身内ネタ(例:昨日の飲み会の話など)
- 個人を名指しで批判する内容
- 政治や宗教、社会的にセンシティブな話題
- 長すぎる話やオチのない雑談
また、ありがちなのが「話が長くなる」「何を伝えたいのかわからない」「声が小さくて聞こえない」など。
これらは一気に話の印象を下げてしまう原因になります。
特に、朝の時間は貴重です。
内容はシンプルに、言いたいことはひとつに絞る。
そして明るくハキハキ話すことが大切です。
終礼では何を話す?1日の締めくくりにふさわしい話題
終礼の基本ルールと目的を確認しよう
終礼は、1日の業務の終わりに行う大事なコミュニケーションの時間です。
「お疲れさまでした」と言って終わるだけではもったいない場面でもあります。
終礼には、次のような目的があります。
- 業務の進捗確認
→今日予定していた仕事が完了したか、遅れている業務はあるかなどを共有します。 - 情報共有
→翌日の予定や変更点、緊急対応が必要なことなどを全員で確認します。 - 反省と振り返り
→うまくいった点や改善点を簡単に振り返ることで、次につなげられます。 - モチベーションの維持
→一言の感謝や労いがあるだけで、チームの雰囲気がガラッと良くなることも。
また、終礼は「一日をポジティブに締めくくる」効果もあります。
特に、忙しかった日やトラブルが多かった日こそ、前向きな一言が明日の空気を左右します。
終礼では「問題点の洗い出し」だけでなく、「よかったこと」にも注目することが大切です。
ポジティブに終わる!感謝・振り返りの伝え方
終礼の場では、「ありがとう」や「助かったよ」といった感謝の言葉を交えるだけで、チームの雰囲気がグッとよくなります。
とくにリーダーや先輩が率先して発信することで、メンバーも自然と感謝の気持ちを口にするようになります。
たとえばこんな一言が効果的です:
- 「○○さん、急な案件の対応ありがとうございました。とても助かりました」
- 「今日は忙しい中でも笑顔で対応していて、いい雰囲気がありましたね」
- 「トラブルがありましたが、冷静に対応してくれて安心感がありました」
また、振り返りをする際も、「ダメだった点」ばかりを指摘するのではなく、「明日はもっとよくなるためにどうするか」を前向きに話すことで、全員が前向きな気持ちで職場を後にできます。
振り返りの際のポイントは以下の通り:
やること | 例文 |
---|---|
よかった点を挙げる | 「納期ギリギリだったけど、皆の連携で乗り切れました」 |
改善点をシンプルに伝える | 「もう少し事前確認ができると良かったですね」 |
明日の意気込みを軽く添える | 「明日は余裕を持って対応できそうです!」 |
こうした言葉を少し加えるだけで、終礼が「次に向けた大切な時間」へと変わります。
部下・後輩がやる気になる終礼ネタとは?
リーダーや先輩が終礼で話す内容は、チームのモチベーションに大きな影響を与えます。
ただの業務確認で終わるより、部下や後輩が「よし、また明日もがんばろう!」と思える一言を意識することで、チーム全体が前向きになります。
具体的には以下のようなネタや言葉が効果的です:
- 「成長ポイント」に注目
→「今日は〇〇さんの対応がすごくよかったよ。お客様の反応もすごく良かったね」 - 「チャレンジを褒める」
→「今日初めての業務を任せたけど、よくやりきったね!」 - 「小さな成功を見逃さない」
→「午前中に遅れが出たけど、午後の巻き返しが素晴らしかった!」 - 「努力をちゃんと見ている」アピール
→「表には出てないけど、サポートしてくれてたの分かってるよ。ありがとう」 - 「チームへの感謝」
→「今日もみんなのおかげで、無事に1日終われました!」
こういった言葉は、形式ばった報告以上に、メンバーに響きます。
終礼は「上司からの評価の場」ではなく「チームで気持ちを共有する場」として活用しましょう。
数字や実績を交えた具体的な伝え方
終礼で説得力のある話をしたい時は、具体的な数字や実績を交えるのが効果的です。
数字は誰にでもわかりやすく、結果を「見える化」することで達成感や改善点が明確になります。
たとえば:
- 「本日の受注件数は15件。先週平均より3件多かったです」
- 「問い合わせ対応時間の平均が5分短縮されました」
- 「昨日の売上を20%上回る成果が出ました」
こうした情報を簡潔に伝えることで、「今日1日の頑張り」が数字として評価され、チームの満足感ややりがいにつながります。
また、実績だけでなく「次につながる提案」も入れるとさらに効果的です。
- 「この調子でいけば、週末には目標達成が見えてきます」
- 「明日からもこの流れをキープしていきましょう」
数字をただ並べるのではなく、「結果に対するポジティブなメッセージ」を添えることで、聞く側の気持ちも前向きになります。
「お疲れさまでした」だけではもったいない理由
終礼の定番フレーズといえば「お疲れさまでした」ですが、それだけで終わるのは少しもったいないです。
なぜなら、「お疲れさま」だけでは、その日一日の成果や努力が十分に伝わらないからです。
もちろん、「お疲れさま」は日本人にとって自然で大切な言葉です。
ただ、その一言に少し「気持ち」を乗せるだけで、聞く側の心に残るようになります。
例えば:
- 「今日も一日、集中して取り組んでいただきありがとうございました」
- 「忙しい中でも皆さんが協力し合って動いてくれたおかげです」
- 「明日も良いスタートが切れるよう、しっかり休んでくださいね」
このように少し気持ちを込めるだけで、言葉に重みと温かさが加わります。
「言葉に人柄が出る」とよく言われますが、まさに終礼はそれを体現するチャンスです。
毎日使える!朝礼・終礼で役立つ話題ネタ集
今日の記念日・雑学を話のタネに
「今日は何の日?」というネタは、手軽で話題にしやすく、ちょっとした雑学や知識を自然と共有できる優れた素材です。
朝礼や終礼では、“ちょっとした豆知識”があるだけで場の雰囲気が和みます。
たとえば、4月9日は「フォークの日」。
これは「フォー(4)ク(9)」の語呂合わせから来ています。
このような記念日を紹介することで、「へえ、知らなかった!」といった反応が得られやすく、話し手にもリズムが生まれます。
また、記念日にちなんだ一言を添えることで、話にオチやテーマ性が加わります。
例:
「今日は“フォークの日”です。フォークといえば、物事を切り分けて整理するイメージがあるので、今日の仕事も“効率よく仕分け”を意識してみましょう!」
記念日ネタを探す際は、以下のようなサイトが便利です:
- 日本記念日協会の公式サイト
- 「今日は何の日」カレンダー系アプリ
- Yahoo!ニュースやLINEニュースのトップページ下部
1分以内に話せる内容として非常に優秀なので、朝礼や終礼のネタに迷ったときには積極的に取り入れてみましょう。
時事ニュースを3分でまとめて伝えるコツ
毎朝のニュースは、社会人としてチェックしておきたいもの。
しかし、朝礼の場で長々と話すわけにもいきません。そこでポイントは「3分で伝える要約力」です。
まずニュースネタを選ぶ際は以下の3つのポイントを意識しましょう:
- ビジネスに関係がある話題(経済動向、業界ニュースなど)
- 日常生活に影響する話題(天気、交通、値上げ・値下げなど)
- 話しやすい軽めの話題(新商品、スポーツ、話題のエンタメなど)
ニュースを紹介する際は以下の構成を使うと簡単です:
項目 | 内容 |
---|---|
ニュースタイトル | 「○○社が新製品を発表しました」 |
なぜ注目されているのか | 「市場初の機能を搭載しているためです」 |
自分の感想・一言 | 「私たちの業務にも応用できる点がありそうですね」 |
このように話すことで、単なる情報提供ではなく「話す価値のあるネタ」として聞き手にも伝わります。
毎朝、1つのニュースを選んで話すクセをつけると、情報収集力も自然とアップします。
曜日別ネタ例(例:月曜はモチベ、金曜は振り返り)
「毎朝ネタを考えるのが大変…」という人におすすめなのが「曜日別テーマ」方式。
曜日ごとに話す内容のカテゴリを決めておくことで、ネタに迷わずにすみます。
例として、以下のような曜日分けがおすすめです:
曜日 | テーマ例 |
---|---|
月曜 | 今週の目標・気合を入れる一言 |
火曜 | 業務に役立つ豆知識・時短テク |
水曜 | チームワークに関する話題 |
木曜 | お客様とのやりとりから学んだこと |
金曜 | 1週間の振り返りと感謝の言葉 |
この方法なら、前日夜に翌朝のネタを考えるときも、方向性が明確なので効率よく準備できます。
また、聞く側も「今日はこういう話か」と心の準備ができるので、スムーズに受け入れやすくなります。
曜日別テーマは、部署内で共有するだけでも朝礼の質が格段に上がるので、チーム全体で取り組んでみるのもおすすめです。
季節・イベントに合わせた話題一覧
季節やイベントは、時期ごとに自然と話題が湧きやすく、朝礼や終礼の場にもぴったりです。
特に日本は四季がはっきりしているので、季節感を大事にしたネタは喜ばれます。
以下に季節ごとの話題例をまとめました:
時期 | 話題の例 |
---|---|
春 | 花粉症対策、新入社員への声かけ、桜の開花 |
夏 | 熱中症予防、夏季休暇の共有、イベント情報 |
秋 | 健康診断、台風対策、食欲の秋ネタ |
冬 | インフルエンザ対策、年末の目標、寒さ対策 |
こうしたネタは、朝のテンションを上げるのにも効果的ですし、チーム内の会話のきっかけにもなります。
特にイベント(ハロウィン、節分、バレンタインなど)を絡めると、ユーモアや遊び心も加えやすく、楽しい雰囲気が作れます。
会社の文化に応じて、ちょっとした飾りつけやイベントに繋げても◎です。
スピーチネタ探しに便利なサイト&ツール紹介
「毎日ネタを考えるのは大変…」という方のために、スピーチネタを探せる便利なサイトやツールをご紹介します。
【おすすめサイト・ツール】
名前 | 内容・特徴 |
---|---|
朝礼ネタ帳(Web) | カレンダー形式で記念日やニュースネタを紹介 |
Googleトレンド | 話題の検索キーワードが一目で分かる |
Twitterのトレンド | 若者向けの旬ネタ探しに最適 |
LINE NEWS | 短く要約された話題をチェックしやすい |
ChatGPT | キーワードを入れれば話題を即提案してくれる便利ツール |
これらをうまく使えば、「毎日の朝礼ネタがマンネリ化してしまう」ことを防げます。
時間がないときでも、10分ほどチェックするだけで十分なネタが手に入るので、ぜひ活用してみてください。
話し上手に見せるためのテクニック
短くても伝わる「PREP法」の使い方
朝礼や終礼のスピーチで「話がまとまらない」「ダラダラ話してしまう…」という悩み、よく聞きます。
そんな時に役立つのが、シンプルで使いやすい話し方の型「PREP法(プレップ法)」です。
PREP法とは、以下の4つの流れで構成された話し方です:
項目 | 内容 | 例 |
---|---|---|
Point | 結論を最初に言う | 「今日はチームワークの重要性について話します」 |
Reason | 理由を伝える | 「昨日、皆が協力して作業を早く終わらせたからです」 |
Example | 具体例を挙げる | 「Aさんが資料作成、Bさんがチェックを分担しました」 |
Point | 結論をもう一度 | 「こうした連携が成果につながります」 |
この順番で話すだけで、短時間でも「聞きやすく・分かりやすい」話ができるようになります。
特に時間の限られた朝礼には最適な方法です。
PREP法のいいところは、話す内容に悩んでも「まず結論を決める」と自然と話が組み立てられる点です。
「話の組み立てに自信がない」という方にとって、最も簡単で効果的なテクニックと言えます。
まずは1分程度で話せるPREPスピーチから練習してみましょう。
表情・声のトーンで印象が変わる理由
同じ内容を話しても、「この人、話が上手だな」と感じる人と、「なんか伝わりにくいな」と思う人がいます。
その差を生むのが、表情と声のトーンです。
まず、表情。笑顔を忘れずに話すことで、自然と声にも明るさが出ます。
しかめっ面で話すと、内容がどんなに良くてもネガティブに聞こえてしまうものです。
次に、声のトーン。特に以下のポイントを意識すると、グッと伝わり方が変わります:
- 語尾をはっきり言う
- 声の高さを少し上げる(普段より明るい印象になる)
- 話すスピードはゆっくりめに(焦らず、落ち着いて)
さらに、話の中で「大事な部分」は少し声を強調したり、間を取ることで、聞いている側が自然と注意を向けるようになります。
見た目の印象は思った以上に影響力が大きいです。スマホで自分の話す様子を録画してみるのもおすすめ。
改善点がすぐに見つかりますよ。
誰でもできる緊張対策3つのステップ
「人前で話すのが苦手」「声が震える」と感じる方も少なくありません。
実は、緊張を完全になくすのではなく、“味方につける”ことが大切です。
以下の3ステップで、緊張をうまくコントロールすることができます。
- 深呼吸でリセット
→話す前に3回、深呼吸をしてみましょう。体も気持ちも落ち着きます。 - 話す内容を口に出して練習
→頭の中だけで考えるのではなく、「実際に声に出す」のが大事。1〜2回声に出すだけで安心感が違います。 - 話す人を「ひとりの人」として見る
→全員を見ようとせず、「仲のいい同僚1人に向けて話す」つもりで伝えると、緊張がグッと和らぎます。
また、「緊張している自分を責めない」ことも重要です。
誰でも最初は緊張しますし、それが自然です。
「慣れること」を目的に、毎日少しずつ話す経験を積んでいきましょう。
伝えたいことを絞る「一言メッセージ」のコツ
朝礼や終礼では「短く、わかりやすく」が大前提。そこで効果的なのが、「一言メッセージ」を意識して話すことです。
一言メッセージとは、「今日伝えたいことを一文にまとめる」ことです。たとえば:
- 「今日は“相手の立場で考える”を意識しましょう」
- 「“いつもより5分早く動く”がカギです」
- 「“声かけ”一つで、チームの雰囲気が変わります」
このように短く要点を絞ると、聞く側も記憶に残りやすくなります。
話の構成に迷った時も、「まず一言で何を伝えたいか」を考えると軸が決まります。
毎日の習慣として、「今日の一言」をメモしておくのもおすすめです。
これをもとに話を展開するだけで、自然と話がまとまります。
聞き手のリアクションを見ながら話す練習法
朝礼・終礼で「うまく話せたかな…?」と不安になることもあると思います。
そんな時に大事なのが、「聞き手の反応を見ながら話す」意識です。
リアクションを見ることで、次のようなメリットがあります:
- 興味を持って聞いているかがわかる
- 退屈そうな顔を見たらテンポを変えるヒントになる
- うなずきや表情で「伝わっている手応え」が感じられる
初心者におすすめなのが「3人の顔を見る」練習です。朝礼中に、左・中央・右の3人だけを意識して交互に見ることで、全体を見ている印象を与えられますし、話す自分にも安心感が生まれます。
また、少し余裕が出てきたら、うなずき返しをしたり、「共感してくれた」と思える相手に向かって自然に笑顔を返すなど、双方向のコミュニケーションを意識しましょう。
管理職・リーダー向け:朝礼・終礼をチーム力UPにつなげる方法
チームの一体感を高めるメッセージとは?
リーダーにとって、朝礼や終礼は単なる連絡の場ではなく、「チームの方向性を示し、心を一つにする時間」です。
言葉一つで空気は大きく変わります。
だからこそ、チーム全体の一体感を意識したメッセージが大切です。
例えば、以下のような言い回しが効果的です:
- 「今日はこの目標を、全員で意識して取り組みましょう」
- 「一人ひとりの力が集まって、チームとして結果を出せました」
- 「全体で協力する姿勢が、信頼に繋がっています」
特に「全員で」「一緒に」「チームとして」などの言葉は、仲間意識を強くします。
個人プレーに偏りがちな現場でも、「自分はチームの一員だ」という感覚を思い出させる力があります。
また、少し前向きな目標を共有することも重要です。
例:「今週は“お客様に気配りする週間”にしていきましょう。小さな気づきが信頼につながります」
このようなちょっとしたメッセージが、日々の行動を変えるきっかけになります。
成果を認めて「承認欲求」を満たす話し方
人は誰しも「自分の頑張りを認めてもらいたい」と思っています。特に職場では、上司からの一言で大きくモチベーションが変わります。
つまり、リーダーが「成果を認める言葉」を朝礼や終礼でしっかり伝えることは、チーム力を高める鍵になるのです。
以下のような言葉が効果的です:
- 「昨日の〇〇案件、よく仕上げてくれて助かりました」
- 「△△さんの提案、チームにとってとてもいい影響がありました」
- 「□□の対応、難しい状況でも冷静に動けて素晴らしかったです」
ポイントは、「具体的に」「その場で」伝えること。
「なんとなく良かったね」ではなく、「何が」「どう良かったか」を言葉にすることで、相手の承認欲求をしっかり満たせます。
さらに、それを皆の前で伝えることで、「あの人が褒められるなら、自分も頑張ろう」と周囲にも好影響を与えます。
こうした“認める文化”があるチームは、人が育ちやすく、定着率も上がります。
トラブル時のフォローや安心感の伝え方
管理職やリーダーは、順調な日だけでなく「トラブルが起きた日」こそ、その力が問われます。そんな時の朝礼・終礼では、「安心感を与えるメッセージ」が大切になります。
トラブルの報告や反省は必要ですが、責めるような伝え方をしてしまうと、メンバーの士気は一気に下がってしまいます。
代わりに、以下のような声かけを意識してみてください:
- 「今日のトラブルは予想外でしたが、次に活かせる学びもありました」
- 「原因を全員で共有して、同じことを繰り返さないようにしましょう」
- 「責めるより、どう改善するかを一緒に考えていきましょう」
こうした言葉には、「リーダーがチームを守ってくれている」という安心感があります。
メンバーは「次も頑張ろう」と前を向くことができます。
また、失敗した本人に対しては個別にフォローすることも忘れずに。
「次は一緒に乗り越えよう」という姿勢が伝われば、信頼関係はむしろ強くなります。
リーダーとして信頼を得る朝礼・終礼の活用法
リーダーが朝礼・終礼で信頼を築くためには、話す内容だけでなく「態度・姿勢」も非常に重要です。
信頼されるリーダーに共通するポイント:
- 常に一貫した姿勢で話す(言ってることが日によってブレない)
- 部下の名前を呼んで話す(個を大事にしている印象)
- 成功も失敗もオープンに共有する(隠さない姿勢が信頼につながる)
さらに、時には「自分の弱み」や「失敗談」を話すのも効果的です。
例:「私も新人の頃は、報告ミスで冷や汗をかいたことがあります。でもその経験が今に生きています」
こうした話は、部下にとって「完璧じゃなくてもいいんだ」「成長すれば大丈夫なんだ」という安心感を与えます。
人は“完璧な人”よりも、“共感できる人”に信頼を寄せるのです。
日々の短い朝礼・終礼こそ、リーダーとしての信頼をコツコツ築くチャンスだと捉えましょう。
働き方改革時代に合う「短くて伝わる」話し方
現代の働き方は、スピードと効率が求められる時代です。
だからこそ、朝礼や終礼でも「だらだら話す」より、「短く・濃く」伝えることが求められています。
そのために有効なのが、以下の3つのテクニックです:
- キーワードを1つに絞る
→今日のテーマは「安全意識」など、1トピックに集中 - 15秒以内で1メッセージを言い切る
→「今日は風が強いので、外出時の安全確認をお願いします」など - 要点を箇条書きにして伝える
→「連絡事項は3点です。1つ目は〜、2つ目は〜、3つ目は〜」と明確に
これにより、聞く側のストレスも減り、話の印象が強く残ります。
特に、忙しい朝や疲れた終業後には「短くて伝わる話し方」が何よりも喜ばれます。
まとめ|朝礼・終礼は「言葉の力」でチームを動かす時間
会社の朝礼・終礼は、単なる業務の区切りではなく、「人と人」「思いと行動」をつなげる大切な時間です。
今回ご紹介したように、話す内容に少し工夫を加えるだけで、チームの雰囲気やモチベーションは大きく変わります。
- 形式的に話すのではなく、「何を伝えたいか」を意識する
- 季節感や時事ネタなど、親しみやすい話題を取り入れる
- 成果や努力を“認める”言葉で信頼を育てる
- リーダーは、言葉でチームの方向性と安心感を示す
「毎日話す」ことは、難しそうに思えて、実は“最強のチャンス”でもあります。
少しずつ慣れていけば、あなたの言葉が、誰かの力になり、チームの動きを変えていくでしょう。