飛行機関連

旅客機が選ぶ一般的な飛行高度とは?

旅客機はどのくらいの高度で飛んでいるのかご存知でしょうか?

路線や天候、揺れの状況によって巡航高度は柔軟に変えていますが、旅客機が飛ぶ一般的な高度を説明します。

通常、東京-大阪間の様な短い距離の時は偏西風の強さにもよりますが、24000ft(7300m)から30000ft(9100m)位の高度を飛行します。
飛行機自体はもっと上昇出来るのですが、距離が短いため燃料効率等を考えると上記高度以上に上昇するメリットはありません。

国際線の場合はどうでしょうか?

飛行機が上昇できる高度は主に飛行機の重量や外気温度によって決まり、風の状況等も考慮して一番燃料効率の良い高度を選んで飛行します。

一般的には高い高度ほど燃料効率は良くなります。

離陸時の飛行機は目的地までに必要な燃料と乗員、乗客、及び貨物を積んでいますので、重量は目的地にもよりますが比較的重く、最初から高い高度まで上昇する事はできません。

特に長距離になればなるほど燃料の量が多くなり飛行初期は低めの高度しか巡航出来ません。

例えばアメリカ西海岸に行く時、最初は31000ft程度の低い高度で巡航、時間がたち燃料が消費されて飛行機の重量が軽くなるとその上の33000ftに上昇、この繰り返しでアメリカ西海岸に着く頃には37000ftか39000ft(約12000m)位まで上昇しています。

これをStep Upと言います。

但し、2時間か3時間程度のフライトですとその分燃料が少ないため飛行機の重量が比較的軽く、上昇性能に余裕がありますので最初から37000ftか39000ftに上昇し、Step Upをしないで一定高度で目的地の近くまで行く場合が多いです。

それでは飛行機の性能だけを考えた場合、どの位まで上昇できるのでしょうか?

上昇限界高度は飛行機によって違いますが、B747(ジャンボ)の場合、45100ft(約13700m)、B777は43100ft(約13100m)がマニュアルに書いてある限界高度です。

但し、いつでもこの高度に上がれるかと言うとそうではありません。
すでに書いたように上昇できる高度は重量によりますのでこの高度に上昇するためにはかなり重量を軽くしないと上昇する事はできません。

ここまで上昇できるケースはどういう時かと言うと、乗客も貨物も載せないで乗員のみで運航する様な時(若しくは極端に乗客が少く、近距離飛行の時)に限られます。

たまにチャーター機などで片道は満席で行き、帰りは乗員のみで帰る時があります。
これをフェリーフライトと呼びますが、この時は限界高度まで性能上、上昇出来る時があります。

しかし上昇出来るからと言っても実際に45000ftまで上がる事はまずありません。

通常は41000ft位までで、たまに43000ft位まで上昇することがあると言った程度です。

私も43000ftまでしか上昇したことはありません。

上に行けば行くほど気圧は低くなり、空気が薄くなって疲れやすくなります。
また限界値に近くなるとやはり気持ち悪いものです。

何事も余裕を持って運航するのが一番です。

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