飛行機関連

パイロットの資格の先にあるもの:定期的な訓練と審査の実態

Pilotになるためにはたくさんの通らなければならない関門があります。さらにPilotになった後も定年まで訓練、審査は続きます。

今日は無事にPilotになった後の訓練、及び審査について書いてみたいと思います。

結論から先に言いますと、大体3か月に1回は訓練、若しくは審査が入ります。

Pilotは資格によって訓練や審査の種類が違います。

機長の場合、審査はシミュレーターを使った技能訓練を年に2回(LOFTと言う訓練を行っていれば年に1回)、路線審査を年1回行います。

この審査はカンパニーチェッカーと呼ばれる会社の査察操縦士が担当します。(これは航空局から認定をを受けているかいないかで違ってきます。)

もし、この審査に不合格になった場合は所定の訓練を受けて、状況によっては次の審査は航空局の審査官で受けなくてはならない場合もあります。

もしそこでまた不合格になった場合は資格委員会と言う会議にかけられ、その後の進路が決まる事になります。

クビか継続かと言う事ですが、大体は継続不可でクビになる事の方が多かったと思います。
(クビと言ってもほとんどの人は会社を辞めさせられることはなく地上職として働く事になるのですが、飛行機から下ろされることは本人にとっては非常に辛い出来事である事に違いありません。)

Pilotになるときの訓練も同じですが、Pilotが審査を受審するチャンスは2回までですね。
2回不合格になったら終わり、3回目はないことがほとんどです。

副操縦士も同じですが、副操縦士は会社の規定で資格が決められており、機長よりは審査基準は多少ゆるくなります。

半年に2度か3度の審査を受けるわけですが、その合間にリカレントトレーニング、All Weather、Loftと言った訓練が入ってきますので大体3か月に1回は何かしら訓練、審査を受けていると言う事になります。

シミュレーターを使った訓練や審査はエンジン故障や離陸中止、急減圧、その他考えられる故障を想定して行われます。
ほとんどの故障は実際の飛行機で起こることは稀ですが、稀だからこそ普段訓練していないと実際に起きた時に対処がができないと言う事になります。

新しい訓練方法としてLOFTと言う訓練があります。(新しいと言ってももう結構年数がたっていますが、昔はなかった訓練です。)
Line Orienting Flight Trainingと言いますが、実際のライン飛行、たとえば羽田-大阪間の飛行を再現してその中でトラブルが起きて、どう対処するかと言う訓練です。

この訓練は前もってどのようなトラブルが起こるか訓練を行うものには知らされていないので、かなり実践的な訓練です。

その他、新しいシステムが入ってくるとその訓練とか、緊急脱出の訓練、座学による定期訓練等、Pilotにとって訓練、審査は一生付きもので一度資格を取ってしまえば安泰と言う事はなく、かなり厳しい世界であると言う事が言えます。

多くのお客様の命を預かっているので当然と言えば当然ですね。

写真は沖縄、下地島の訓練飛行場でのB777の着陸訓練です。
現在は実機による着陸訓練は行っておらず、すべてシミュレーターで行っています。
それだけシミュレーターの性能が上がったと言う事ですが、感覚的には全く実機と変わりません。

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