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風は飛行機にとって強敵!?

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風はパイロットにとって最大の敵です。

飛行機の正面から吹く風はそれほどでもないのですが、横風で突風があるとかなり難しいアプローチになります。

特に成田のRunway16(滑走路16番、16と言うのは方向を指しており160度の方向へ進入すると言う事です。)は強風が吹くと気流が非常に悪く、かなり難しい、少々汗をかく操縦を強いられます。
春一番や台風時の時はできれば飛びたくないと言うのが本心です。

横風があるとき飛行機の機首方向は風の方向と飛行機の進行方向のベクトルで決まります。

上記の画像の場合は左から風が吹いている状態で、機首が滑走路の方向から見て左に向いています。
この状態のまま着陸をしても良いのですが、パイロットはできるだけ機軸(機首)を滑走路と同じ方向にして着陸するように操作をします。

この写真の場合はこの後まず右のラダー(方向舵)を踏み、機軸を滑走路に合わせるように操作します。
右のラダーを踏むと飛行機は右に傾き、右に行こうとするために同時にエルロン(翼の補助翼)を左に切ります。
そのような状態にして着地になるわけですので写真の場合は若干左に傾いた状態で着地します。
まず左の車輪が着地、次に右の主輪、最後に前輪が着地すると言うのが正常です。
次の画像を見てください。
クロスウィンド
右に傾いて着地していますが、これは横風着陸の時の典型的な着陸の形です。
この場合は右から風が吹いている場合ですね。
決して右に傾いているから下手な操縦と言うわけではありません。

この操作を横風の時にしないといけないのですが、強風の時は突風もある事が常です。
風の強弱(突風)があるとスピードが激しく増減します。

またラダーやエルロンも風の強弱によって細かくコントロールしていかなければなりません。
乱気流の中、飛行機の姿勢をコントロールしながらパワーレバーを操作してスピードのコントロールもしなければなりません。
これがなかなか難しいのです。

もちろんシュミレーター(模擬飛行訓練装置)によってこのような訓練は行っていますので降りることはできますが、横風着陸は一番パイロットの技量が出るところでもあります。
このようなときにはハードランディング(強めの着陸)をすることが多くなります。

要因はいろいろありますが、たとえば急激な風の変化で操縦が後手に回る、パワーが足りずスピードが減少して着陸のためのフレアー操作(機首上げ操作)をしても飛行機の降下率が減少しない、等があります。

ハードランディングをしても、またそのあとバウンスしてもその後適切な操作をすれば問題ないのですが、前にご紹介した事故では残念ながら適切な操作をしていないように見られますが、実際のところ適切な操作ができない状況にあった事もあるかもしれませんので一概には言えません。

風はパイロットに様々な試練を与えます。
逆にここが腕の見せ所と言う場面でもありますが・・・。

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